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武田園からのお知らせ

 落葉樹を用いた「雑木の庭」を確立した造園の巨匠 小形研三氏の庭造りの講演を終えて/栗

2020.01.28

今回秋元通明氏が二時間半と貴重な時間を割いていただき、小形研三氏が確立した雑木の庭、次世代へとつなげていく途切れさせない技術として拝聴した。                                                                                                                                                                                                                                                                           始まりにて雑木の庭に対して若干の疑問は持ち合わせていたが、今回の話は公共及び個人にて役立つものであり、自然系の庭園の一つの形であり今後参考にすべき考え方の一つであると感じた。   まず自然系の庭園は規則性を作らないという印象を受けた。 その一例として、人工的な滝の話題が上がったが、その中の一つとして滝の向きを一つにしないこと。 つまり流れの向きが一方向、一箇所からしか出ないと思わせず、まだ水路が他にあるのではないか、と思わせるなど押し口や滝口を見せず探求心を見てる者に考えさせる作りは非常に勉強となる。   また空間の見せ方、植栽に関しては今後も行っていく作業の上で基本ではあるが、重要な点であるので、そちらについても言及していきたいと思う。 まず植栽に関しては、ただ植えるのではなく複数の樹木で不等辺三角形を描くように植栽し、空いた空間に石を据えることでくぼみ等を用いて空間を広く見せること。 また景観を大事にするだけでなく今後の管理も考え樹木を用意するなど当たり前のようなことにも思われるが、基礎中の基礎を思い返す等重要な点は多くあった。   景観については、雑木の庭を確立された小形氏は、美しく、見る人の心を和やかに、理屈っぽく考えさせないようにという考えのもと、普通のものを目指していたとお聞きした。 しかしまっすぐに見せたい物を見せるのが正解ではない。味気のなさを表現させてしまう言われた。   再び一つの例としてあげるとするならば、ただまっすぐ作るのでは味気のなさを感じさせる。そのため足場の板石を用いくぼみやカーブを製作し、奥行きを表現させることや奥にまだ何かあるのではと感じさせることが大事だと思った。 またあくまで私の考えではあるが、奥行きやカーブを作ることで手前と奥での見方で風景の見方が大きく違う二面性を加えることで、見るものを飽きさせない構造になるのでは、と感じた。   しかしそれ以上に私が今回の講演において一番重要だと思ったのは、何を表現したいのか、それを絞り、欲張らない。という点でした。 あくまで内容に関しては、非整形式の庭園において何が重要なのかという前置きはあったが、この何を表現したいのかというのは今後剪定していくうえで非常に大事なものだと私は考える。 今後作庭以外で樹木の選定は当たり前のようにあるとは思われるが、その時に自分がどのような形にしたいのか、どのようにこの庭では表現したらよいのか考えさせられる一歩であり、その考えのヒントを与えていただいた小形研三氏、秋元通明氏には感謝の念が尽きません。